
※作品紹介
地下鉄のホームで撥ねられ死んだはずの玄野、加藤は謎のマンションの一室に一瞬にして転送される。そこに置かれた得体の知れない黒い球の指令により、ねぎ 星人の暗殺を命じられた玄野らは、状況を把握できないままねぎ星人の元へと転送される。マンションにいた仲間によってねぎ星人は殺されるが、新たなねぎ星人が現れ...
著者 奥浩哉
掲載誌 週刊ヤングジャンプ
※感想
ガンツは漫画をあまり読まない一般層への知名度は低いが、青年向け「ジャンプ」に連載している超人気漫画である。パターンにハマらないとストーリー展開と、実写と漫画を融合したかのようなハイパーリアル感のある絵が特徴だ。リアルリティのある会話シーンも評価は高い。
基本的には現実世界を舞台にしたアクションバトルものである。一見アリガチな設定を基に「ありそうで無かった感」の強い描写が展開されていく。

124話「新宿大虐殺」では銃の乱射で次々と人間が殺されていく。あまりにも「ありそうな」話。やれば誰だってできるだろう。どうして起きないのか不思議なくらいだ。
こうしたリアリティが全体に渡っているというワケだ。
まず、主人公達はガンツチームとされて特殊なスーツを着て、敵である「星人」を倒そうとする。ところがここで他の漫画ではありえない事態が発生する。


なんとグズグズいってスーツを着てくれないのだ。
挙げ句の果てには、これから戦いに行くというのに、

「この会」などとサークルか何かの主催なのかと疑われる始末。

敵陣に来たあとも、わかってない人が自宅へ帰ろうとしてしまう。
とんでもない話なのだが、やっぱり「ありそう」である。
さて、ガンツはエンターテイメント志向の強い漫画ではあるものの、ある種のテーマ性も見え隠れする。「人は偽善者に過ぎないのか?」という問題だ。
戦闘に行く際にも、かなり「人間」的なシーンがある。

人を助けようとする人と、見捨てる人。

戦闘を楽しむ人。
このあと虐殺シーンになって「どこの国でもやってることだよ」のセリフが入る。
まわりの一般人も同じだ。
戦闘が起きてる時でも「ありそう」な会話をしている。

真剣に悲しむというワケでもなく、わいわい騒いでしまうのだ。
極めつけはこれだ。

敵の死骸を携帯電話の写真機能で撮る人。
このように、ガンツはストーリー・絵・会話・テーマらが徹底的に「リアル」に作られている。そこには漫画のお約束毎といった非現実さは一切ない。
連載は継続中だ。偽善者問題は決着が着いてない。
一部に主人公が自助努力せずにモテるシーンがあったりする。これは減点とする。アニメ版もあるが完成度は最悪であり見る価値はない。
ガンツは個人的にはかの名作「寄生獣」を超える可能性すらあると思っているのだが、どうだろうか。
とにかく、お薦めである。
点数:48点